携帯からよみがえる記憶 「よぉ!久しぶり、ヨイショ、俺の事、わかる?」 聞こえてきた声で、懐かしい顔と楽しかったり切なかったり、いろんな情景が浮かんできた。 英語の試験の時、居眠りしていた僕は自分の名前のスペルを Yoshio では、無く Yoisho と、書き間違えた。 いくら寝ぼけていたって、自分の名前を書き間違えるなんてと、自分が情けなかったが、更に情け無い事に、答案を返された時、英語の教師は、その間違いを、クラスみんなの前で指摘して、それ以来、僕はヨイショと呼ばれるようになった。 久しぶりに、懐かしいニックネームで呼びかけてきたのは、いつも一緒に過ごしていた3人組のひとりで、山下力三だった。 この3人組というのは、僕と山下力三(リキさん)。 それから、河野忠志(チュー)で高校に入ってから、いつも一緒に過ごしてた。 リキさんは、高校生には見えない落ち着いた風貌で、後輩達からは お父さんと呼ばれていたのだが、早い話、老け顔という事で、 でも、頼りになる存在である事に間違いは無い。 そんな後輩達の中のひとり、当時、僕の彼女だったのが、田辺恵。 ヨイショの彼女って事で、ヨイコって呼ばれてた。 「もちろん、覚えてるよ。リキさん、どうしてたんだ? 全然、連絡無いし、その連絡先まで、わからなくなっちゃって」 「いやぁ、ゴメン、ゴメン、俺も色々あってさぁ、詳しい事は言えないけどね・・・」 僕はあまり話したくなさそうなのを、無理やり話させるなんて、 そんな趣味は無いので、それ以上聞かずに、話題を変える事にした。 「いや、いいんだけどね、すっごく久しぶりだから驚いたよ、卒業以来会って無いし、今は どうしてるんだい?」 それくらいは、聞いてもいいだろう・・・。 「今は東京で小さな会計事務所をやっててね、小さすぎて誰も気がつかないから、仕事は大変だけど、まぁなんとか、やってるよ」 「会計事務所をやってるなんて、すごいじゃないか」 「いや、たいした事無いよ、そんな事より、僕が、電話をかけたのは・・・」 次の、リキさんの言葉に、僕は一瞬で、呼吸の方法を忘れてしまった。 「驚くと思うんだけど、昨日の夜、ヨイコが12階から飛び降りたんだよ」 ↓ クリック お願いします 人気blogランキングへ
by girasole_ilfar
| 2007-06-24 11:58
| それは校庭の中庭から始まった
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